空中戦と地上戦 -戦を制するのは地上戦-
こんにちは、中小企業診断士の木戸です。
会社の成長には社員が必要であり、会社の成長には社員の成長が必要です。より社員が輝ける環境、より組織が活性化した状態になれば、成長のスピードは加速していきます。
企業の方向性を示し、社員の成長を促していくために、経営方針書や経営計画書の策定、人事制度や教育制度の導入は1つの解決策であり、実際に検討される方は多いのではないでしょうか。
この経営方針書や人事制度などへの投資(新規導入や制度見直し)を空中戦と位置付けています。これらは飛び道具のようで、極端な話、経営者の意思決定1つで取り入れることができます。
一方で、取り入れた人事制度や策定した経営方針書などの内容を組織に浸透させ、根付かせて、成長の原動力とするには、空中戦だけでは不十分です。多くの経営者は、経営方針の発表や人事制度の説明を行っただけで満足してしまい、空中戦で終わってしまいます。
しかし、戦を制するのは地上戦。空中戦だけでは勝てないのです。
では、地上戦とはどのような内容なのでしょうか。
それは、組織文化・組織風土を形成するプロセスで、『自発的な高い目標設定』、『自発的な学習と成長』、『挑戦する組織』、『学習する組織』、『再現性と価値観の刷新』、『環境への順応と耐久』などがキーワードとなります。
地上戦では、非常に高次での対人スキルが要求され、『仕事におけるコミュニケーション能力』、『仕事における人間関係』、『仕事をする上でのマナー』などが必要です。また、持続的・継続的に粘り強く、辛抱強く、繰り返し取り組まなければなりません。
経営方針やMVVなどを考えるのは、どの会社でも策定できますし、そこには優位性はありません。これを組織的に徹底してやり続けられることが、組織文化の形成、競合との優位性、そして業績アップへと繋がっていくのです。
経営者の思いや会社の方向性を真剣に考え、時間もかけて策定する経営方針書だからこそ、それを活きたものにする実行プロセスにもエネルギーを注いでいきましょう。
仏(ほとけ)あって魂(たましい)あらずには、ならないように気を付けていきたいものです。
中小企業診断士 木戸貴也