2025.06.30

  • MVV

MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)と創業の精神の融合

皆さん、こんにちは。

 

フラッグシップ経営の長尾です。

 

皆さん、いきなりですが自分の会社の「創業の精神(創業の経緯や原点)」を知っていますか。

 

実は自分が所属する会社が何を大事にしてきたか、創業者はどういった想いで創業したのかを知らずに働いている社員さんは結構多いです。

 

私がMVVの構築支援を行う際には必ず「創業の精神」という切り口を設けるようにしています。

 

全てのスタートとなる創業の精神には必ず普遍的な価値があるからです。

 

今回は創業の精神をMVVとして表現するための手順をご紹介しましょう。

 

1.創業の原点を掘り下げる

・なぜこの事業を始めたのか?

・どんな課題を解決したかったのか?

・初期の顧客にどう喜ばれたか?

・苦しかったが譲らなかった信念は何か?

→この段階では「物語」「エピソード」を重視する。理念の種は物語の中にある。

 

2.原点を抽象化し「ミッション」として言語化する

・創業動機:中小企業の経営者が孤独で悩んでいた

・ミッション例:「中小企業経営者の意思決定を支える伴走者であり続ける」

→創業時の“なぜこの仕事をするのか”を、現在・未来の顧客にとっての価値として翻訳する。

 

3.理想の未来像を描いて「ビジョン」として掲げる

・そのミッションを全うした先に、どんな社会・顧客・組織の姿があるか?

・10年後、「うちの会社があってよかった」と言われる未来とは?

→ビジョンは、創業の「想い」を未来に向けて再構成したもの。夢だけでなく、現実への道筋が示唆されていると良い。

 

4.価値観を明文化して「バリュー」に落とし込む

・苦しい局面で譲らなかった信念は?

・どんな人と一緒に仕事をしたいと思うか?

・意思決定の基準は何か?

→バリューは、創業者の“判断の癖”“人への接し方”“こだわり”などから見出すのが効果的。

 

5.社内外の言葉に「翻訳」する

・外部:理念を通じてブランドや差別化の根拠を伝える

・内部:社員が行動や判断に迷ったときの“羅針盤”として機能させる

→「かっこいい言葉」ではなく、「共感できる言葉」「使える言葉」にすることが重要。

 

 

これらのステップを踏んだ上で、成功するMVV構築のポイントは下記の3つにまとめられます。

 

創業時の「Why(なぜ)」がすべての出発点
 →どんなに成長しても、この原点に立ち戻れるかがブレない軸になる。

 

創業の精神を“過去”でなく“現在に活かすべき原理”として捉える
 →懐古主義ではなく、未来をつくる力に変える。

 

社員との対話を通じて「今の解釈」をアップデート
 →創業者の思いも、言語化され共有されてこそ組織に根づく。

 

MVVはしばしば“旗”のように掲げられますが、真に機能するMVVとは、組織の「根っこ」として機能するものです。

 

創業の精神こそがその根であり、枝葉をどれだけ広げようと、その根から栄養が届いていなければ、やがてしおれてしまいます。

 

経営コンサルタントとしてMVVを支援する際にも、必ず創業者や初期メンバーとの対話を重視し、「その想いを未来にどう継承・進化させるか」という視点をもって設計することが不可欠だと感じております。

 

MVVの支援はロゴやクレドカード、HPなどデザインや成果物を求めたくなるのですが、それはプラスαの話で、本質は創業の精神からくる価値観を後世へ承継させるための言語化やストーリー化が重要です。

 

皆様も経営方針やMVVを構築する際には創業の精神を一度確認し、言語化、ストーリー化させることをお勧めします。

 

必ず、大きなヒントや時代が変われど守りたい価値を確認できると思います。

 

それでは、また次回です。

 

2025.05.30

  • ご案内

支援事例を更新しました

岡山県の企業様で、一般職の方々向けの研修を行わせていただきました。

その内容の一部を支援事例としてご紹介いたします。

支援事例はこちらから

2025.04.16

  • MVV
  • 会議の活性化

組織が停滞していると感じたら、経営者がまず取り組むべきこと

皆さん、こんにちは。

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

会社を経営していると、どんなに順調に見えていたとしても、「何かが止まっている」「空気が重い」と感じる瞬間があります。

それは売上の伸び悩みかもしれませんし、社員の活気のなさかもしれません。こうした“組織の停滞”は、じわじわと企業力を奪っていきます。

では、経営者としてその兆候を感じたとき、何をすべきなのでしょうか?今日は、その打開策について考えてみたいと思います。

1. 「なぜ停滞しているのか」を冷静に見極める

まず大切なのは、「停滞の原因」を感情ではなく事実で捉えることです。

感覚的に「うまくいっていない」と感じたときほど、一歩引いて状況を俯瞰することが求められます。

  • 売上・利益の推移を数値で見る

  • 離職率や社員アンケートなどの内部データを確認

  • 顧客の声や市場の変化も再確認

こうした情報から、表面的な現象ではなく“根本原因”に迫りましょう。

2. 「社員の声」を徹底的に聴く

停滞している組織には、現場に何かしらの“サイン”が出ていることが多いです。

それを見逃さないためにも、社員との対話が不可欠です。

  • 定期的な1on1ミーティングの実施

  • 部署横断的な座談会やアンケート

  • 経営者自らの「雑談力」も有効

意外なところから、目から鱗の意見が出ることも。ポイントは「聞く姿勢」に本気であることです。

3. 小さな成功体験を“再起動スイッチ”に

一気に改革しようとしても、組織は急に変わりません。むしろ、現場が“やらされ感”を抱いてしまうと逆効果。

  • 成果が出そうな小さな改善プロジェクトを始める

  • 成功をみんなで共有し、承認と称賛を惜しまない

  • 一歩ずつ「できるかも」という自信を積み上げていく

「小さな成功」は、大きなモチベーションの原動力になります。

4. ビジョンを“再定義”する

組織が停滞しているとき、多くの場合「どこに向かっているか」が曖昧になっています。

  • 現在のビジョンや目標が、社員に共有されているか?

  • ビジョンが“今の時代”に合っているか?

  • 経営者自身がそのビジョンにワクワクしているか?

この問い直しこそ、再スタートの核心です。共感を呼ぶビジョンは、組織を再び前進させます。

5. 経営者自身の「アップデート」を怠らない

そして最後に最も大切なのは、経営者自身の姿勢です。

  • 新しい価値観やテクノロジーに触れる

  • 外部の経営者やコンサルタントと情報交換をする

  • 自分の思考を定期的に“リセット”する

私自身も経営コンサルティング会社の経営者でありながら、組織の活性化が十分にできていない時はあります。

そうした時はセミナーや本で学んだことを振り返って、言葉として発信したり、行動に移していく事を意識しています。

経営者や上級職が変われば、組織は自然と動き出しますからね。

それではまた次回です。

2025.04.01

  • 人事評価制度
  • 目標管理制度

1on1ミーティングで被信頼感を高める

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

月1回、四半期に1回、半期に1回など、『上司と部下』や『経営者と従業員』で1on1ミーティングを実施している、または今はできていないが実施したいと考える企業、部署の方は多いのではないでしょうか。

1on1ミーティングの目的は、「信頼関係の構築」、「個々の成長促進」、「課題の早期発見」等があり、メリットとして「エンゲージメント向上」、「問題解決力向上」、「柔軟なコミュニケーション」等があげられます。

◆目的
・信頼関係の構築: 部下や同僚との間でオープンかつ継続的なコミュニケーションを促進し、相互理解を深める。
・個々の成長促進: 業務上の課題やキャリア目標を明確にし、パフォーマンス向上に向けたフィードバックや支援を行う。
・課題の早期発見: 日々の業務における障壁やリスクを迅速に把握し、適切な対策を講じる機会とする。

◆メリット
・エンゲージメントの向上: 定期的な対話により、従業員のモチベーションや組織へのコミットメントが高まる。
・問題解決力の向上: 個別の課題に対し、具体的な改善策や解決策を議論することで、組織全体の業務効率が向上する。
・柔軟なコミュニケーション: 上下関係を超えた対話で、組織内の情報共有が円滑になり、新たなアイデア創出にも繋がる。

また、実際に実施する上で、気を付けておくべき点もあります。

例えば、以下の5点などです。特にアジェンダは定例のテーマとトピックスに分けて、「お互いに何について話をして、どのような結論を出す“場”」なのかを認識していることは重要です。

◆実施上の留意点
・アジェンダの明確化: 事前に議題を共有し、双方が準備できる環境を整えること。
・双方向コミュニケーション: 一方通行のフィードバックではなく、対話形式を徹底し、意見交換を促すこと。
・定期性と継続性: 定期的なスケジュールを設定し、継続的に実施することで、信頼性と効果を確実なものにする。
・プライバシーの確保: 安心して意見を述べられるよう、個室などの環境で実施することが望ましい。
・フォローアップ: ミーティング後のアクションプランや進捗確認を徹底し、実践につなげることが不可欠。

これらのポイントを踏まえ、1on1ミーティングは組織全体のパフォーマンス向上と従業員の自己成長に大きく寄与する手法ですので、ぜひ、活用してください。

中小企業診断士 木戸貴也

2025.03.31

  • MVV
  • 人事評価制度

意気込みは保証がなく、実績は実在する

皆さん、こんにちは。

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

弊社では現在、採用の強化を行なっており毎週のように面接が入っています。

当社のような小規模な事務所ですと、学歴や職歴も大事ですが当社の企業文化にマッチするかはさらに重要です。

また、士業事務所という特性上「経営者と話ができる」「自身が強みと言える知識や経験もがある」ことも必要です。

しかし、私は以前まで意欲や意気込みなどで採用をしてきた経緯があります。

「これまでの実績よりもやる気や学ぶ意欲が大事だ!」

そう信じて、未経験者でも目立った職歴や学歴がなくても、その人のやる気や意気込みを信じて採用してきました。

しかし、実際には9割の人が面接当初のやる気や意気込みは長続きせず、仕事に真剣に取り組まない、自己研鑽を全くしないという人達ばかりでした。

書籍を購入する、上司に質問するなどもなく、給料を貰えれば良いというようなスタンスで勤務時間をやり過ごしていたように思います。

そうした経験を経て、私がこれまでの面接や採用で学んだことは「やる気」や「意気込み」は何の意味もないということです。

本当にやる気があり、意気込みがあるならそれは「過去の実績」に表れているはずです。

未来に向けての意気込みは何の保証もないですが、過去の実績は虚偽でない限り「確かに実在」するのです。

例えば1社で真剣に何かに取り組んでいた、働きながら資格を取得していたなどです。

人材不足と言われて久しいですが、積極採用を行うにしても、意気込み、やる気ではなく、過去に実在する実績を評価のポイントにした方が即戦力かつ、自社の組織強化にもつながる可能性が高いというのが私が経験した感想です。

今回は私の経験談を元に、未来への意気込みではなく、過去に実在する実績が採用では重要だということをご紹介させていただきました。

皆さんも面接では是非「これまで真剣に取り組んで大きな成果をあげたことはありますか」という質問をしてください。

意気込みは何の保証もありませんが、過去に実在する実績が評価に値するかどうかが重要ですので。

それでは、また次回です。