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相談内容
「新入社員を対象にした決算書の読み方に関するセミナーを実施してほしい。」というご依頼を同社より頂きました。同社へのセミナーは今回で2度目となります。
1度目のセミナー開催のきっかけは、同社の人事部の方が、弊社が商工会議所で実施したセミナーにご参加いただいたことです。そして、同社から「ぜひ自社でもセミナーを開催してもらいたい。」というご要望を頂いたことが契機となり、昨年セミナーの開催に至りました。昨年のセミナーを高く評価していただき、今回2度目のセミナー開催が決定しました。
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支援内容
同社の入社後3年目までの職員25名に対して8時間にわたるセミナーを、代表の長尾が実施しました。本セミナーの最大の目標は、地方銀行や大手の信用金庫との差別化です。地方の中小企業を支えるような金融機関は、地銀や大手信金と金利や融資額で勝負するのではなく、そこに至るまでのプロセスで差別化し勝負すべきです。
財務諸表は、経営者の思考やビジネスへの真剣度を示す重要な書類であり、経営者にとっての最高のパートナーになるためのヒントが詰まっています。同社が経営者のパートナーとして、決算書から経営の問題点を発見し経営の改善点を提案できるようになる。そして、他の金融機関にはない付加価値を経営者に提供することを目的としました。
決算書から経営の改善点を提案するまでのステップは以下の通りです。
1. 決算書を読める・理解できる。
2. 決算書を読んで、自分なりの判断ができる。
3. 決算書を読んで、改善策の提案ができる。
以上のステップを踏むことが必要です。弊社のセミナーでは、セミナーの内容を「知っている。」だけにとどめず、セミナーの内容を「自分の力でアウトプットできる。」まで昇華させます。
セミナーで大切にしていることは主に以下の二つです。
1. 決算書を自分事として理解してもらう。
「財務諸表は面白くないものだ。」と考える方がいらっしゃいます。この原因は、財務諸表に使われている単語が自分に馴染みのないもので、財務諸表が身近な存在ではないからだと思います。しかし、「家が資産、家のローンが負債で、頭金が純資産である。」と言われれば、資産や負債、純資産とは何かを理解することが簡単になります。
一つ一つの馴染みのない単語を、かみ砕きながら説明する。そして、誰もが理解しやすいような日常の例を用いながら、財務諸表は難しいものだという意識をなくすことを、セミナーを通して徹底しました。
2. 知識を自分の能力に変換してもらう。
セミナーをただ受けるだけでは受動的な学習になってしまいます。海外の論文では、受動的学習は学習者の満足度が高く、勉強した気になってしまうという結果が示されています。一方、自分で実際に手を動かす、口を動かす、頭を動かすといった能動的な学習を実施する方がアウトプットの質が高くなるという研究結果があります。
セミナーでは話し手と聞き手に分けてしまうのではなく、セミナー中の対話や質疑応答を通して知識を習得する。次に、弊社が研磨を重ねた複数のワークを実施し、実際に手を動かしてもらう。そして、理解を深めながら自分の能力に変えてもらうことを大切にしています。
実際、本セミナーの対象者である新入社員の方々から、「目が覚めるようなセミナーだった。」「セミナーの8時間があっという間だった。」というお声を多数いただきました。
本セミナーを好意的に評価してくださり、「リファイナンスやリスケ、経営改善のノウハウに関するセミナーも実施してほしい。」という依頼を新たに頂きました。
決算書の読み方に関するセミナーから経営改善のレクチャー、マネジメントや管理職研修まで、弊社はご対応いたします。
自社に関する経営課題を明確にお持ちの方はもちろんのこと、経営戦略や人材育成について漠然としたお悩みを持つ方に対して「課題の洗い出しから適切なセミナーの提案」まで実施いたします。
弊社は、初回無料の経営相談も受け付けております。お悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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相談内容
同社より新たに人事考課制度を策定したいとのご相談をいただきました。ご依頼の背景には職能要件を定義したいという役員の方々のお考えがありました。職能要件とは、各役職において、どの程度のレベルの仕事を行い、どの程度の知識やスキルを必要とするのかを具体的に定義したもののことを言います。
今回、職能要件を定める目的の1つに従業員の方々に対してキャリアプランを示したいという想いがありました。現状ではどのような条件で給料が上がり、何ができるようになれば昇進するのかを従業員の方々に明確に示すことができていないため、キャリアプランを描きづらいということを課題と感じており、その課題を解消するために今回ご依頼をいただきました。 -
支援内容
弊社は以下の流れをベースに、ご支援先様のご要望に合わせてご支援いたします。
1.現状把握
2.組織戦略・事業戦略の策定
3.戦略実行のサポート
それぞれのステップについて、今回の例を交えながら、ご説明いたします。
1.現状把握
まずは、ご依頼いただいた企業様の実態を把握するために調査、ヒアングを行います。ヒアングについては経営層や管理職の方々へのインタビューに留まらず、現場の従業員の方々のお声をお聞きすることを大切にしております。
同社の例でも、まず初めに役員の方々との打ち合わせや各部署の状況についての詳細の把握など、人事制度の策定に至るまでに約半年間の時間をかけて徹底的に実施いたしました。
2.組織戦略・事業戦略の策定
現状把握が完了すると、いよいよ戦略の策定に入ります。この段階では、ご依頼時や現状把握段階のヒアングでお聞きしたご要望を実現することを第一に、現状を把握していく中で弊社が課題だと感じたこともお伝えしながら、戦略の方向性をすり合わせていきます。
そのような過程を経て、組織戦略・事業戦略が決まれば、いよいよ実際に制度を考えていきます。
3.戦略実行のサポート
戦略を策定すると、その戦略を実行に移すための制度を策定するという段階に入っていきます。同社は人事考課制度の策定依頼でしたので、職能要件を明確にし、従業員の方々にとってキャリアプランが描きやすいような制度を策定するため、部署ごとに細かく項目が異なる評価基準を設けた「成長シート」、さらに従業員自身が学びたい、成長したいという行動目標を示した「行動目標シート」の2つの評価軸の導入を提案いたしました。
制度は策定して終わりではありません。正しく実行されて初めて価値のあるものとなります。そのため弊社では、戦略を策定するだけでなく、制度策定の目的や制度の実施方法などを従業員の方々にお伝えする説明会の実施、さらには策定後もトライアルという制度を設けており、ご支援先様とともに経過を追いかけ、その進捗状況に応じて、内容の調整や実施方法などへのアドバイスを実施しております。机上の空論ではなく、実際に現場で生きる制度となるよう、最大限サポートいたします。
今回は人事考課制度の策定依頼の事例を基にご説明いたしました。
人事制度の策定支援に関しましては、今回の事例以外にも過去には売上高ベースで5億円規模から70億円規模まで、従業員数ベースで10数人から100人以上に至るまで、様々な規模の企業様にご依頼をいただき、ご支援いたします。
この記事をご覧いただいている方の中で、人事考課制度を改めて策定したいとお考えの方や、未来を見据えた経営戦略・事業戦略を策定したいという想いをお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非弊社にご依頼ください!
また、現在ある評価制度や経営戦略・事業戦略に不安を感じている方、弊社は初回無料の経営相談も受け付けておりますので、是非お気軽にご相談ください!
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相談内容
同社は過去に社内研修を実施した経験がなく、管理職の定義や仕事の進め方、部下の育成方法などが属人的で、ノウハウが明文化されていないことを課題と考えておられました。
そのような背景の中で、今回1泊2日型の管理職研修を実施することをご決断され、その依頼先を探していたところ、ホームページから過去に補助金の申請支援を担当させていただいた弊社が研修を行っていることを知っていただき、せっかくなら過去に接点がある弊社に、と今回のご依頼を頂きました。 -
支援内容
今回は弊社から代表の長尾を始めとした計4名が参加し、同社の管理職の方々計16名を対象に2日間の管理職研修を実施いたしました。
2日間を通じて、スキルの面だけでなく、どのような心構えで仕事に取り組むかなどのマインドの部分も含めて、管理職に必要な要素を余すところなくお伝えしました。その管理職のノウハウの中でいくつかをここで公開したいと思います。
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6ー2.管理職の仕事
この研修で私たちが最もお伝えしたかったことは、管理職として成果を上げることと現場で成果を上げることとは全く異なるということです。
そもそも管理職とはどういうものか、完璧に理解できている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。管理職という言葉の定義は、「自らの知識や地位によって意思決定を行い、組織の活動や業績に貢献を与えることができるもの」であり、部下が大勢いても組織や業績に大きな影響を与えないのであれば管理職とは言いません。管理職の管理の対象は「人」ではなく、「成果」なのです。
その上で、経営学の祖、ピーター・F・ドラッカーは管理職の仕事として、以下の5つを挙げています。
①目標を設定する
②組織する
③動機づけとコミュニケーションを行う
④評価、測定する
⑤人材を開発する
しかし、これらの仕事に取り組む際、管理職は4つの大きな現実に囲まれています。
1つ目は時間がすべて他人に取られてしまうということです。管理職になると、部下への指導など、自分のタイミングではないタイミングで新たなタスクが発生します。あらゆる人が時間を奪いに来るような感覚になります。
2つ目は日常業務に取り囲まれているということです。目の前の仕事に身を任せていても本当の問題にたどり着くことはありませんが、自ら行動しない限りは仕事に追われたまま時間だけが過ぎていってしまうでしょう。
3つ目は組織で働いているということです。管理職は他の人が動いてくれて初めて成果が出るというポジションです。管理職になる前に大きな成果を上げていた人が、管理職になった途端に全く成果を上げることができなくなってしまうということが起こり得るのはこのためです。この章の冒頭でも申し上げた通り、現場と管理職は全く違う仕事と認識する必要があります。
最後は組織の内なる世界にいるということです。大きな組織になるほど、組織の内部を現実世界と錯覚してしまう現象に陥ってしまうことも少なくありません。しかし、成果は組織の内部にはありません。成果は「顧客」や「市場」にあります。
以上に申し上げたことから、管理職として特別な努力を払わない限り、成果は上げられないことは容易に想像がつくでしょう。
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こちらでご紹介させていただいたのは2日間の研修のほんの一部に過ぎません。研修の本編では、実際にどのような視点で業務に取り組むのかなどの心構えの部分や、明日から使えるフレームワークをグループ形式での実践を通じて体験していただきます。
実際に体験された同社の方々からは、「翌日からの管理職の目が変わった」、「気づいていても社員同士では言いにくい部分を指摘してくれた」などと好意的な意見を多数いただきました。
この記事をご覧いただいている方の中で、現在管理職研修の実施を検討されている方はもちろん、これから次世代の管理職候補生を育てたい方も是非弊社にご依頼ください!
弊社は初回無料の経営相談も受け付けております。お悩みがございましたら、お気軽にご相談ください!
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相談内容
100年企業であり、経営理念は明文化されているものの、それが浸透しているとは言えない状態であり、過去の成功体験にとらわれ、持続的に成長していると感じることができなくなっていました。これまではビジネスモデルに助けられてきたが、時代が変わり、競合も増え、価格競争も激しくなってきた現在では既存のお客様に既存の商品を販売するだけでは生き残れない。実際に売上も横這いが続いていたのですが、管理職にも危機感がなくこのままでは衰退していくのではと初回無料経営相談時にお伝えいたしました。
そこで、以前に経営改善計画の策定のご支援をさせていただいた弊社にこれから向かっていくべき方向性や管理職の意識改革を含め、ご相談いただきました。 -
支援内容
この会社は良くも悪くも安定しており、管理職や従業員も会社に対して大きな不満もなくいわば“惰性”で仕事をしていても緊急性を要する問題は特になかったのです。
総じて「良い会社」なのですが、経営者は漠然とした不安を抱えておられました。
しかし、当社も管理職会議に何度か参加させていただきましたところ、いくつかの課題が見つかり、それが成長を促す組織になっていないことが分かりました。
1. ビジョンがない
総じて良い会社ですので離職率が低く、現在の管理職は50代から60代です。一方で中間管理職は30代前半が1名で、あとは20代から30代の一般職でした。業務的なことは管理職がすべて決めてしまい、中間管理職以下は言われた通りに業務をこなしている様子でした。一人前になり仕事を任せられるイメージや昇進のイメージが全く沸かず、ポストが空かなければ昇進できないような硬直性のある組織でした。また、給与面もエリア内での平均程度で不満もないが夢も目標ももちにくいと感じました。
そこで、当時7億だった売上高を5か年で20億まで引き上げようという壮大なプロジェクトを盛り込んだビジョンを策定しました。自社の強みや弱みの分析、経営戦略、アクションプランを5か年計画にまとめ、意図的に刺激を与えるために売上高を大幅に増加させる方法を採用しました。
ただし、その当時20億は現実的ではないことは皆心の中で感じていましたが、そこを目指すプロセスが大事だと常々会議でお伝えし、アクションプランの進捗を毎月確認していきました。その結果、5年経過時で売上高が15億まで増加させることに成功し、待遇も改善されたことで若手社員も入社するようになりました。今では若手社員を中心にした本当に20億円を目指すビジョンを掲げ、一般職や中間管理職が会社の中心的存在になりつつあります。
2. 人事制度がない
この会社では人事制度がなかったので、自分がどのように評価されているのか、何を頑張り、どうすれば待遇が良くなるのか、そもそも会社が何を求めているのかが明確にされていませんでした。そこで、20億を目指すプロジェクトで掲げたビジョンに盛り込まれている、経営戦略やアクションプランに関連させた人事評価制度を新たに作成し、運用を開始しました。会社が社員の昇給や昇進・昇格を判断するための参考になるだけでなく、各人が成長する方向性が分かるということを重要視しました。また、制度を導入することで評価結果をもとに上司と部下が面談する機会が増え、その結果ビジョンの達成に向けたアクションプランが進むようになったと感じています。
3. ビジョンや目標を共有する場がない
「会社がどこからきて、どこへ向かうのか」それを全社員が理解している企業は稀有だと思います。何度説明しても理解はできないかもしれません。しかし、それを理由に共有する場を持たないのは間違いです。会社の進むべき方向性や従業員の将来像を伝え続けることで持続的な発展や組織の活性化が促進されるのは間違いありませんので、この会社では1年に1回、ホテルの会議室を借りて年度方針発表会を行うことにしました。事務員や現場の作業者まで全社員を一堂に集め、ビジョンや予算、昨年のレビューなどを共有し、社内の結束を図りました。既に7回目を迎えましたが、縦割りや部門間の軋轢もほとんどなくなり、組織全体でビジョンの達成に向かうようになりました。
まとめ
この会社では既に経営理念がありましたので、ビジョン、中期経営計画、人事制度を導入させていただきました。また、毎月訪問させていただく伴走支援も行っております。まだまだビジョンを達成したというところまでは来ていませんが、少なくとも進むべき方向が明確になり、そこに向けて一歩ずつ登っていることは私どもも実感しております。今後も事業承継に伴い、経営陣の若返りも想定されていますが、ベテランの管理職も若手社員もビジョンの達成に向け、一体となって会社を盛り上げてくれると思います。