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相談内容
100年企業であり、経営理念は明文化されているものの、それが浸透しているとは言えない状態であり、過去の成功体験にとらわれ、持続的に成長していると感じることができなくなっていました。これまではビジネスモデルに助けられてきたが、時代が変わり、競合も増え、価格競争も激しくなってきた現在では既存のお客様に既存の商品を販売するだけでは生き残れない。実際に売上も横這いが続いていたのですが、管理職にも危機感がなくこのままでは衰退していくのではと初回無料経営相談時にお伝えいたしました。
そこで、以前に経営改善計画の策定のご支援をさせていただいた弊社にこれから向かっていくべき方向性や管理職の意識改革を含め、ご相談いただきました。 -
支援内容
この会社は良くも悪くも安定しており、管理職や従業員も会社に対して大きな不満もなくいわば“惰性”で仕事をしていても緊急性を要する問題は特になかったのです。
総じて「良い会社」なのですが、経営者は漠然とした不安を抱えておられました。
しかし、当社も管理職会議に何度か参加させていただきましたところ、いくつかの課題が見つかり、それが成長を促す組織になっていないことが分かりました。
1. ビジョンがない
総じて良い会社ですので離職率が低く、現在の管理職は50代から60代です。一方で中間管理職は30代前半が1名で、あとは20代から30代の一般職でした。業務的なことは管理職がすべて決めてしまい、中間管理職以下は言われた通りに業務をこなしている様子でした。一人前になり仕事を任せられるイメージや昇進のイメージが全く沸かず、ポストが空かなければ昇進できないような硬直性のある組織でした。また、給与面もエリア内での平均程度で不満もないが夢も目標ももちにくいと感じました。
そこで、当時7億だった売上高を5か年で20億まで引き上げようという壮大なプロジェクトを盛り込んだビジョンを策定しました。自社の強みや弱みの分析、経営戦略、アクションプランを5か年計画にまとめ、意図的に刺激を与えるために売上高を大幅に増加させる方法を採用しました。
ただし、その当時20億は現実的ではないことは皆心の中で感じていましたが、そこを目指すプロセスが大事だと常々会議でお伝えし、アクションプランの進捗を毎月確認していきました。その結果、5年経過時で売上高が15億まで増加させることに成功し、待遇も改善されたことで若手社員も入社するようになりました。今では若手社員を中心にした本当に20億円を目指すビジョンを掲げ、一般職や中間管理職が会社の中心的存在になりつつあります。
2. 人事制度がない
この会社では人事制度がなかったので、自分がどのように評価されているのか、何を頑張り、どうすれば待遇が良くなるのか、そもそも会社が何を求めているのかが明確にされていませんでした。そこで、20億を目指すプロジェクトで掲げたビジョンに盛り込まれている、経営戦略やアクションプランに関連させた人事評価制度を新たに作成し、運用を開始しました。会社が社員の昇給や昇進・昇格を判断するための参考になるだけでなく、各人が成長する方向性が分かるということを重要視しました。また、制度を導入することで評価結果をもとに上司と部下が面談する機会が増え、その結果ビジョンの達成に向けたアクションプランが進むようになったと感じています。
3. ビジョンや目標を共有する場がない
「会社がどこからきて、どこへ向かうのか」それを全社員が理解している企業は稀有だと思います。何度説明しても理解はできないかもしれません。しかし、それを理由に共有する場を持たないのは間違いです。会社の進むべき方向性や従業員の将来像を伝え続けることで持続的な発展や組織の活性化が促進されるのは間違いありませんので、この会社では1年に1回、ホテルの会議室を借りて年度方針発表会を行うことにしました。事務員や現場の作業者まで全社員を一堂に集め、ビジョンや予算、昨年のレビューなどを共有し、社内の結束を図りました。既に7回目を迎えましたが、縦割りや部門間の軋轢もほとんどなくなり、組織全体でビジョンの達成に向かうようになりました。
まとめ
この会社では既に経営理念がありましたので、ビジョン、中期経営計画、人事制度を導入させていただきました。また、毎月訪問させていただく伴走支援も行っております。まだまだビジョンを達成したというところまでは来ていませんが、少なくとも進むべき方向が明確になり、そこに向けて一歩ずつ登っていることは私どもも実感しております。今後も事業承継に伴い、経営陣の若返りも想定されていますが、ベテランの管理職も若手社員もビジョンの達成に向け、一体となって会社を盛り上げてくれると思います。