2024.11.19

  • MVV

ミッション(使命)とは

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

企業の存在意義、将来像、行動指針を表す『MVV:ミッション、ビジョン、バリュー』という言葉があり、
社内や顧客などとの間で共通認識を形成し、企業活動の方向性や目指すべき未来を明確にすることができます。

このMVVの1つであるミッションとは、企業の存在理由や存在意義を示すものであり、
企業がお客様や社会にどのような価値提供をするのか、そこで働く社員に使命感や働く意義を示すものです。

極論ですが、個人は社会から求められなくても生きていくことはできますが、
会社は誰かに求められなければ、存在し続けることができません。

当社は誰に求められる会社なのかについても明確になります。

一方で、働く個々人にフォーカスしたミッションも考えることができます。

これも極端な表現ですが、『使命=命の使い方』とも言えます。

どんな仕事をするのか、限られた時間を何に使うのか、
これらは全て「時間=命」をどのように使っているのかとも言い換えられます。

仕事だけではありませんが、一日の大半は仕事の時間です。

その仕事にどのように向き合うのか、仕事を通じて何を成し遂げたいのか、
何を手に入れたいのか、などを全て自分の命をどう使うのかの選択の結果です。

個人的には、「使命=命の使い方」と考えだしてから、今まで以上に時間を大切にするようになりました。

やりたい仕事でもいいですし、資格の取得でもいいと思います。

自分の時間をどう使うのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

会社としても個々人の使命の延長戦に会社の使命の達成があれば、
ベクトルが揃っており、最高の状態とも言えますね。

中小企業診断士 木戸貴也

2024.10.30

  • 経営方針

人手不足倒産は本当に人手不足なのか

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

先日、調査機関の報告で「2024年度の人手不足倒産は過去最悪のペース」という記事が出ていました。
特に建設業や物流業の割合が高く、飲食業も件数が増加しています。

 

これらの業種に共通することは、「労働集約型のビジネス」であることです。

 

労働集約型のビジネスは、賃上げトレンドの中では収益を圧迫しやすく、また、採用時に置いても同業者などとの比較で、
給料面で見劣りしてしまうなど、採用、定着が難しい一方、積極的な賃上げも難しい、板挟みな状態となっています。

 

外部環境を理由に人手不足を嘆いても仕方がないので、自社でできる2つの解決策に取り組むべきです。

 

まず1つ目は、『賃上げを実現する収益力を付ける』です。

 

人手不足倒産と言われる企業のほとんどが人手が足りないのではなく、人手を確保するだけの体力がない企業です。
収益力を高め、人員を確保できる企業努力抜きでは、人手不足は言い訳にしかなりません。

 

しかし、収益力を付けるためには、お客様の開拓や値上げ交渉、仕入先や外注先の見直し、
固定費の削減など相手があるものや時間が掛かるものが多く、全ての企業が十分な賃上げをできるかはわかりません。

 

一方で、2つ目となる『会社のビジョンや価値観を整理し、共感する人材を集める』は、経営者がその気になれば、いつでもできることです。

 

経営方針や経営計画を策定している企業は10社に1社もないと言われています。
策定している10社のうちの1社であっても方針書や計画書の中に求める社員像や会社の価値感を明文化している企業は限定的と感じています。

 

組織文化や社風、当社としてのあるべき判断軸を明確にし、それらに共感する人材を集めることができれば、
単なる給料面だけでの離職や求人への応募がないなどの問題を解決できます。

 

経営方針書や経営計画書の策定は、外部コンサルを活用しなくても作ることは可能であり、この場合、費用も掛かりません。

 

経営者の創業時の思いや大切にしていること、事業を通じて達成したいことなど経営者の頭の中にあることを書き出し、
整理するだけでも十分だと思います。

 

一度、自分でやってみて、うまく行かない場合には、専門家への相談も検討してみてください。

 

これらの努力をしていない人手不足は、本当の人手不足とは言えません。
必要な体制を整える努力が足りていないだけです。

 

人が足りないと嘆く時間があれば、自社で改善できることを1つずつ解決し、人員面の問題をクリアにしていきましょう。

 

中小企業診断士 木戸貴也

2024.10.23

  • 会議の活性化

「課題は何か?成果はどこにあるのか?」

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

会社の業績が悪く、経営がうまく行っていない時は全社会議や幹部会議などを開いて、課題の設定や改善ポイントの確認などをすると思うのですが、その際に視野や思考が自分たちのビジネスが関係するマーケットやターゲット顧客の事を想定せずに、自社の仕事の進め方などに集中してしまうということはないでしょうか。

 

例えば

 

「議事録のフォーマットを変更しよう」

 

「報連相はもっと強化しよう」などです。

 

このような取り組みの多くは内部的な話で、お客様やマーケットに対しては何のインパクトも与えないことがほとんどですので自社の経営が行き詰まっている時にすべき話ではありません。

(もちろん、こうした内部管理的な話も必要ですが)

 

「成果は会社の外にある」というのはドラッカーの有名なフレーズですが、多くの社員はお客様やマーケットを無視して、目先の業務の中に改善の対象を探してしまう傾向があります。

 

ですから、誰かが

 

「お客様に伝わっているか」

「マーケットにインパクトを与える取り組みであるか」

「その結果、自社の売上や利益が増加するか」

 

という問いかけをする必要があります。

 

どのような改善も目的は「お客様や取引先様、マーケットに対して評価していただくため」でなければなりません。

 

ビジネスは非常にシンプルでお金は入金と出金の2種類しかありませんし、お客様に評価されれば利益が出るし、そうでなければ赤字になります。

 

このシンプルな構造を無視して、活動する組織になっていないかは、随時チェックしていただきたく思います。

 

チェック方法は以下の質問するだけです。

 

「今話していることは顧客満足度につながるか?」

 

「顧客の課題解決につながるか?」

 

「会ったこともない見込み客が話を聞きたい取り組みか?」

 

というような質問をするだけです。

 

そうすると、それまで意識していなかった今設定すべき課題が明確になってきます。

 

成果は会社の外にありますので、顧客満足度やお客様といった会社の外に対して良い取り組みかどうかを質問します。

 

また、社員の全員が今解決すべき課題を自然に設定するのは難しいので、経営者や幹部は質問力を高め、今会社に必要な事、喫緊に解決すべき課題を共通認識させる必要があります。

 

社内では様々な会議やミーティングがあると思いますが、その中でお客様や将来の見込み客、マーケットにインパクトを考慮した議論がなされているかに神経を使い、場合によっては幹部や経営者が「成果につながるか?」「お客様の課題解決につながるか?」と質問を投げかけてみましょう。

2024.09.30

  • 経営方針
  • 会議の活性化

社員を教育し、モチベーションを向上・維持させる

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

「情報が溢れ、何が正しい情報なのか分からない」そんな時はありませんでしょうか。

 

私も自社の経営や経営改善の現場で、毎日といってよいほど新しい情報や概念が生まれてくるので方向性を見失いそうになることがあります。

 

しかし、そのような時こそ原理原則に戻るようにしています。

 

思うに、マーケティングやイノベーションはもちろん必要なことですが、それよりも重要な経営者の仕事は「社員にやる気を出させること」です。

 

会社の発展は社員が生産的に、意欲的にさせられるかどうかにかかっています。

 

ビジネスは売る側も買う側も人によって成り立っているわけですから社員教育に尽きるということです。

 

しかし、大人が大人を教育するのは簡単なことではありません。

 

社員は会社よりも自分の価値観やエゴを優先する傾向が強いのは否定できませんし、経営者も必死で社員一人一人に向き合えるかというとそれも簡単なことではないからです。

 

社員のモチベーションを高め、生産性が高い組織にするには、社員の眠っている能力を開放させる取り組みが必要になります。

 

例えば、仕事を通じてどういう人生を歩みたいか、どんな人間になりたいか、どういう世界観をもっているかについて話し合い、共感できれば眠っている能力を開放することができます。

 

一番の問題は眠っている能力や潜在意識にアプローチしようとすると「精神論」や「スプリチュアル」みたいに捉えられるので非常に難しいということです。

 

しかし、指示命令や役職というツールを使わずに、経営者も社員も一人の人間として、同じ目標を一緒に追いかけるという姿勢をもって、腹を割って話す場づくりや、損・得を超えた助け合いなどを経営に織り込んでいけばこの概念はうまく溶け込んでいくと考えています。

 

労使の関係がナーバスになりやすい昨今ですので、関係が近過ぎることも別の問題を生む可能性もありますが、経営の方向性に迷った時は社員の能力を高め、組織を活性化するのが原理原則ですし、そのためには社員一人一人の眠っている能力を開放させなければならないと心に刻んでおきましょう。

2024.09.30

  • MVV

早く行きたいか、遠くへ行きたいか

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

ミッション・ビジョン・バリューを策定し、社内へ浸透させることで、進むべき方向性の明確化と組織の活性化によって、経営理念の実現に取り組むことは、事業を拡大する上で重要な意味を持ちます。

一方で、参画する人数が増えれば増えるほど、瞬間的なスピード感は低下し、『自分ならもっと早くやれるのに』と歯がゆさを感じることも増えてきます。
どんな事業であっても1人、少人数でできることには限りがあり、より大きなビジネスにするためには、多くの人を巻き込んでいかなければなりません。

しかし、少人数であれば「阿吽の呼吸」や「立ち話程度の打ち合わせ」で意思疎通が取れるものですが、10人、20人とメンバーが増えてくるとそういうわけにはいきません。
これは、どちらが正しいとか間違っているというものではなく、「早く行きたいか」、それとも「遠くへ行きたいか」で切り分けて判断すべきです。

早く行きたければ「1人でやりきる」、「2、3人で対応する」の方が、遠くへ行きたければ「メンバー全員で行く」方が良いということです。
それでもスピード感が落ちることは最小限にしたいと思うものであり、その時に上手く活用してほしい考え方があります。

それは、「会社全体では遠くの目的地に向かって、全員で進み、ポイントではプロジェクト的に少人数でやり切ってしまうことを切り分ける」と言うことです。
なんだか当たり前の様なことかもしれませんが、これを実行できている企業は特に中小企業では肌感覚的に少ないと思っています。

そもそも会社全体で遠くへ向かっている企業も少ないですし、プロジェクト的に動くメンバーとそれ以外のメンバーでの意思疎通を図れているか、他人事として捉えてしまっていないか、など当たり前のことを当たり前に実行している企業は稀です。
事業の規模が拡大し、メンバーも増えてきて「成長スピードが落ちてきた」、「全社的な動きが不十分だ」などと感じることがあれば、魅力ある目標の策定と魅力ある実行チームを作っていきませんか。

中小企業診断士 木戸貴也