2025.08.31

  • MVV

再び、成長軌道へ〜ミッション・バリュー再構築で乗り越える「踊り場」〜

創業から10年、15年経過すると、順風満帆に思えた組織がふと立ち止まる瞬間があります。

いわゆる「踊り場」というやつです。

私もそうですし、皆様も「踊り場」に直面し、悩んだ経験があるのではないでしょうか。

この時期は、単なる業績の停滞だけでなく、「会社の向かう先が見えづらい」「メンバーのエンゲージメントが低下している」といった、組織の根幹に関わる課題が顕在化しがちです。

今回はこの「踊り場」を乗り越え、再び成長軌道に乗せるための鍵として、ミッション・バリュー、そしてビジョンの再構築に焦点を当て、具体的な取り組みと組織文化の醸成方法について考えてみたいと思います。

 

1.なぜ「踊り場」が訪れるのか?

創業期は、強いリーダーシップと情熱、そして「自分たちの手で大きく成長する」といった明確なビジョンがありました。

メンバーは少人数で、お互いの顔が見える関係性の中で、同じ目標に向かって一丸となっていました。しかし、組織が拡大するにつれて、以下のような変化が起こります。

  • ミッション・ビジョンの形骸化: 創業時の熱い想いが、日々の業務に追われる中で薄れていく。

  • 価値観の多様化: 組織が大きくなるにつれ、様々な価値観を持つ人が集まる。

  • 壁の存在: 部署間の連携が希薄になり、セクショナリズムが生まれる。

  • 心理的安全性の低下: 新しい挑戦や発言をためらう雰囲気が醸成される。

これらの変化は、組織全体の一体感を失わせ、結果として成長の停滞を招きます。この状況を打破するためには、創業時の想いを呼び起こし、現在の組織に合わせた形でアップデートすることが不可欠です。

 

2.ミッション・バリュー・ビジョン再構築への3つのステップ

創業10年を迎えた今だからこそ、過去を振り返り、未来を描く作業を丁寧に行う必要があります。

 

ステップ1:過去の振り返りと現状の言語化

まずは、創業メンバーや古参メンバーと、創業時の「熱」や「なぜこの事業を始めたのか」を語り合いましょう。同時に、現在の事業の強みや弱み、顧客から見た自社の価値を客観的に分析します。この作業を通じて、創業時の理念がどこまで浸透しているか、現状の課題は何かを明確にします。

 

ステップ2:ミッション・ビジョン・バリューの再定義

  • ミッション(存在意義)の再確認: 「私たちは誰に、どんな価値を提供するのか?」を改めて問い直します。社会の変化や顧客のニーズに合わせて、ミッションをより明確で、共感性の高い言葉に磨き上げます。

  • ビジョン(未来像)の再設定: 「私たちは5年後、10年後にどうありたいのか?」を描きます。ビジョンは、抽象的でも構いませんが、メンバーがワクワクするような、挑戦意欲を掻き立てるものでなければなりません。

  • バリュー(行動指針)の再策定: ビジョンを実現するために、メンバーが日々の業務でどのような行動をとるべきかを具体的に言語化します。以前の価値観が「挑戦」「スピード」だったとしても、現在は「チームワーク」「顧客第一」といった、より成熟した組織に合わせた行動指針が必要かもしれません。メンバーを巻き込み、現場のリアルな声を取り入れながら策定することで、形だけのスローガンに終わることを防ぎます。

 

ステップ3:全社への浸透と実践

策定したミッション・バリュー・ビジョンは、単なるポスターやウェブサイトに掲載するだけでなく、日々の業務に落とし込むことが重要です。

  • 社内イベントでの共有: 全員参加型のワークショップやミッション・ビジョンを語る会を開催し、対話を通じて理解を深めます。

  • 評価制度への反映: バリューに沿った行動を評価する仕組みを導入し、実践を促します。

  • 日々のコミュニケーション: リーダーやマネージャーが、会議や日々の対話の中で、ミッション・バリューに紐づけてフィードバックを行う。

 

3.新しい組織文化の醸成

ミッション・バリューの再構築は、単なる言葉の変更ではありません。組織全体の文化を変革するための第一歩です。

  • 「心理的安全性」の確保: 意見を自由に発言できる環境をつくり、新しいアイデアや挑戦を歓迎する文化を醸成します。失敗を恐れない姿勢が、次のイノベーションを生み出します。

  • 「内省と対話」の習慣化: 組織全体で定期的に「私たちの仕事はミッションに繋がっているか?」を問い直す機会を設けます。対話を通じて、個人の仕事と組織の目標の繋がりを再確認します。

  • 「オーナーシップ」の醸成: メンバー一人ひとりが、与えられた役割をこなすだけでなく、組織の未来を自分事として捉える意識を育てます。

 

こうして考えると「踊り場」は、組織が次のフェーズへと進むための、またとないチャンスです。

ミッション・バリュー・ビジョンを再構築し、組織の土台を強固にすることで、再び成長のエンジンを再点火することができます。

しかし、この取り組みを通じて、組織はより強固な一体感を持ち、個々のメンバーは自身の仕事に誇りを持つことができるようになるはずです。

 
 

 

2025.07.23

  • 多様な働き方

テレワーク・リモートワーク下における社風・文化の醸成、生産性向上、そして効果的な管理

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

今回は弊社も今秋からスタートしようとしているテレワーク・リモートワークの導入についてです。

私はこれまで新型コロナが猛威を振るっていた時以外は、テレワークを導入しませんでした。

やはり顔を合わせてチームで仕事をするという古い考え方が好きだったからです。

しかし、現代社会において多様な働き方の推進は企業が持続的に成長するために不可欠な要素となっていることは否定できません。

中でもテレワークやリモートワークは従業員のワークライフバランス向上や採用競争力の強化に貢献するのは確かですが、これまでのオフィス勤務とは異なる課題も生じさせます。

今回はテレワーク・リモートワークを推進しながら、いかにして社風や文化を醸成し、生産性を向上させ、そして効果的な管理を行うかについて掘り下げていきます。

私も勉強しながら考えていることを整理させていただきます。

 

1. 社風・文化の醸成:物理的な距離を超えた一体感の創出

テレワーク・リモートワーク環境下では偶発的なコミュニケーションが減少し、従業員間の連帯感が希薄になりがちです。
ですから私は意図的な取り組みによって物理的な距離を超えた強固な社風や文化を醸成したいと考えています。

例えばビジョンとミッションの明確化と浸透をこれまで以上に強化することです。

企業の存在意義や目指す方向性を全従業員が共有することで、個々の業務が組織全体の目標にどう貢献しているかを理解し、一体感を醸成させます。

月に1回の全社会議は出社にし、私からのメッセージ発信を通じて、繰り返し共有することが重要です。

また、コミュニケーションの質を向上させる必要もあります。

心促理的安全性を確保した上で活発な意見交換や建設的な議論をする場を意識して儲ける事で社員の皆さんが安心して意見を述べ、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えることができます。

そういう場がコミュニケーションの質を高め、組織全体の創造性や問題解決能力が高まります。

 

 

2. 生産性の向上:自律性を促し、成果を最大化する

テレワーク・リモートワークにおける生産性向上を実現するには社員の自律性を高め、成果に基づいた評価を導入する必要があります。

そのための準備として明確な目標設定と進捗の可視化は必須です。

 

個人目標を組織目標と連動させ、その進捗を定期的に共有することで、従業員は自身の役割と責任を明確に認識できます。

プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールの導入は、業務の進捗状況をリアルタイムで把握し、ボトルネックを特定する上で非常に有効です。

次に、従業員の自律性を尊重し、マイクロマネジメントを避けることが求められます。

業務のプロセスではなく、成果に焦点を当てることで、従業員は自身の働き方を最適化し、より創造的に業務に取り組むことができます。

必要な情報やツールへのアクセスを確保し、不明点があればすぐに質問できるサポート体制を構築することも、自律的な働きを後押しします。

また、適切なITシステムの活用は生産性向上に直結します。

コラボレーションツール、ビデオ会議システム、クラウドベースのファイル共有サービスなどを積極的に導入し、スムーズな情報共有と協業を可能にすることで、場所にとらわれずに効率的に業務を進めることができます。

 

3. 効果的な管理:信頼と透明性に基づいたマネジメント

テレワーク・リモートワーク環境下での管理は、従来の「監視」から「支援」へとパラダイムシフトする必要があります。

私の苦手なパラダイムシフトです。

信頼と透明性に基づいたマネジメントが、従業員のエンゲージメントと生産性を高めます。

特に信頼関係の構築は最も重要な要素です。

上司は部下を信頼し、部下は上司に安心して相談できる関係性を築くことが、リモート環境での円滑なコミュニケーションの基盤となります。

定期的な1on1ミーティングを通じて、業務上の課題だけでなく、キャリアや個人的な悩みについても話し合える場を設けることで、信頼関係はより深まります。

次に、パフォーマンス評価の透明性を確保することが求められます。

評価基準を明確にし、具体的な成果に基づいて公正に評価することで、従業員は自身の努力が正当に評価されていると感じ、モチベーションを維持できます。

フィードバックは定期的かつ建設的に行い、成長を促す視点を持つことが重要です。

また、労務管理の徹底も忘れてはなりません。

労働時間管理はもちろんのこと、従業員の健康状態やメンタルヘルスにも配慮し、必要に応じて専門家への相談機会を提供するなど、サポート体制を構築する必要があります。過重労働を防ぐためのガイドラインを策定し、周知徹底することも重要です。

最後に、情報セキュリティの強化は、リモートワークにおける管理の重要な側面です。従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施し、VPN接続の義務化、デバイス管理の徹底など、企業の情報資産を守るための対策を講じる必要があります。

 

まとめ

テレワーク・リモートワークは、企業に新たな機会をもたらすと同時に、社風・文化の醸成、生産性向上、そして効果的な管理という面で新たな挑戦を突きつけます。

しかし、明確なビジョン共有、質の高いコミュニケーション、自律性を尊重するマネジメント、そして信頼と透明性に基づいた管理を実践することで、これらの課題を乗り越え、多様な働き方を成功裏に推進することが可能です。

物理的な距離を超えて従業員が一体となり、最大のパフォーマンスを発揮できる環境を構築することが、これからの企業成長の鍵となるでしょう。

 

いかがでしょうか。

私もまだ勉強中でこれから試行錯誤が始まりますが、また効果があったことや課題を共有させていただければと思います。

2025.06.30

  • MVV

MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)と創業の精神の融合

皆さん、こんにちは。

 

フラッグシップ経営の長尾です。

 

皆さん、いきなりですが自分の会社の「創業の精神(創業の経緯や原点)」を知っていますか。

 

実は自分が所属する会社が何を大事にしてきたか、創業者はどういった想いで創業したのかを知らずに働いている社員さんは結構多いです。

 

私がMVVの構築支援を行う際には必ず「創業の精神」という切り口を設けるようにしています。

 

全てのスタートとなる創業の精神には必ず普遍的な価値があるからです。

 

今回は創業の精神をMVVとして表現するための手順をご紹介しましょう。

 

1.創業の原点を掘り下げる

・なぜこの事業を始めたのか?

・どんな課題を解決したかったのか?

・初期の顧客にどう喜ばれたか?

・苦しかったが譲らなかった信念は何か?

→この段階では「物語」「エピソード」を重視する。理念の種は物語の中にある。

 

2.原点を抽象化し「ミッション」として言語化する

・創業動機:中小企業の経営者が孤独で悩んでいた

・ミッション例:「中小企業経営者の意思決定を支える伴走者であり続ける」

→創業時の“なぜこの仕事をするのか”を、現在・未来の顧客にとっての価値として翻訳する。

 

3.理想の未来像を描いて「ビジョン」として掲げる

・そのミッションを全うした先に、どんな社会・顧客・組織の姿があるか?

・10年後、「うちの会社があってよかった」と言われる未来とは?

→ビジョンは、創業の「想い」を未来に向けて再構成したもの。夢だけでなく、現実への道筋が示唆されていると良い。

 

4.価値観を明文化して「バリュー」に落とし込む

・苦しい局面で譲らなかった信念は?

・どんな人と一緒に仕事をしたいと思うか?

・意思決定の基準は何か?

→バリューは、創業者の“判断の癖”“人への接し方”“こだわり”などから見出すのが効果的。

 

5.社内外の言葉に「翻訳」する

・外部:理念を通じてブランドや差別化の根拠を伝える

・内部:社員が行動や判断に迷ったときの“羅針盤”として機能させる

→「かっこいい言葉」ではなく、「共感できる言葉」「使える言葉」にすることが重要。

 

 

これらのステップを踏んだ上で、成功するMVV構築のポイントは下記の3つにまとめられます。

 

創業時の「Why(なぜ)」がすべての出発点
 →どんなに成長しても、この原点に立ち戻れるかがブレない軸になる。

 

創業の精神を“過去”でなく“現在に活かすべき原理”として捉える
 →懐古主義ではなく、未来をつくる力に変える。

 

社員との対話を通じて「今の解釈」をアップデート
 →創業者の思いも、言語化され共有されてこそ組織に根づく。

 

MVVはしばしば“旗”のように掲げられますが、真に機能するMVVとは、組織の「根っこ」として機能するものです。

 

創業の精神こそがその根であり、枝葉をどれだけ広げようと、その根から栄養が届いていなければ、やがてしおれてしまいます。

 

経営コンサルタントとしてMVVを支援する際にも、必ず創業者や初期メンバーとの対話を重視し、「その想いを未来にどう継承・進化させるか」という視点をもって設計することが不可欠だと感じております。

 

MVVの支援はロゴやクレドカード、HPなどデザインや成果物を求めたくなるのですが、それはプラスαの話で、本質は創業の精神からくる価値観を後世へ承継させるための言語化やストーリー化が重要です。

 

皆様も経営方針やMVVを構築する際には創業の精神を一度確認し、言語化、ストーリー化させることをお勧めします。

 

必ず、大きなヒントや時代が変われど守りたい価値を確認できると思います。

 

それでは、また次回です。

 

2025.05.30

  • ご案内

支援事例を更新しました

岡山県の企業様で、一般職の方々向けの研修を行わせていただきました。

その内容の一部を支援事例としてご紹介いたします。

支援事例はこちらから

2025.04.16

  • MVV
  • 会議の活性化

組織が停滞していると感じたら、経営者がまず取り組むべきこと

皆さん、こんにちは。

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

会社を経営していると、どんなに順調に見えていたとしても、「何かが止まっている」「空気が重い」と感じる瞬間があります。

それは売上の伸び悩みかもしれませんし、社員の活気のなさかもしれません。こうした“組織の停滞”は、じわじわと企業力を奪っていきます。

では、経営者としてその兆候を感じたとき、何をすべきなのでしょうか?今日は、その打開策について考えてみたいと思います。

1. 「なぜ停滞しているのか」を冷静に見極める

まず大切なのは、「停滞の原因」を感情ではなく事実で捉えることです。

感覚的に「うまくいっていない」と感じたときほど、一歩引いて状況を俯瞰することが求められます。

  • 売上・利益の推移を数値で見る

  • 離職率や社員アンケートなどの内部データを確認

  • 顧客の声や市場の変化も再確認

こうした情報から、表面的な現象ではなく“根本原因”に迫りましょう。

2. 「社員の声」を徹底的に聴く

停滞している組織には、現場に何かしらの“サイン”が出ていることが多いです。

それを見逃さないためにも、社員との対話が不可欠です。

  • 定期的な1on1ミーティングの実施

  • 部署横断的な座談会やアンケート

  • 経営者自らの「雑談力」も有効

意外なところから、目から鱗の意見が出ることも。ポイントは「聞く姿勢」に本気であることです。

3. 小さな成功体験を“再起動スイッチ”に

一気に改革しようとしても、組織は急に変わりません。むしろ、現場が“やらされ感”を抱いてしまうと逆効果。

  • 成果が出そうな小さな改善プロジェクトを始める

  • 成功をみんなで共有し、承認と称賛を惜しまない

  • 一歩ずつ「できるかも」という自信を積み上げていく

「小さな成功」は、大きなモチベーションの原動力になります。

4. ビジョンを“再定義”する

組織が停滞しているとき、多くの場合「どこに向かっているか」が曖昧になっています。

  • 現在のビジョンや目標が、社員に共有されているか?

  • ビジョンが“今の時代”に合っているか?

  • 経営者自身がそのビジョンにワクワクしているか?

この問い直しこそ、再スタートの核心です。共感を呼ぶビジョンは、組織を再び前進させます。

5. 経営者自身の「アップデート」を怠らない

そして最後に最も大切なのは、経営者自身の姿勢です。

  • 新しい価値観やテクノロジーに触れる

  • 外部の経営者やコンサルタントと情報交換をする

  • 自分の思考を定期的に“リセット”する

私自身も経営コンサルティング会社の経営者でありながら、組織の活性化が十分にできていない時はあります。

そうした時はセミナーや本で学んだことを振り返って、言葉として発信したり、行動に移していく事を意識しています。

経営者や上級職が変われば、組織は自然と動き出しますからね。

それではまた次回です。