2024.08.27

  • 経営方針

摩擦があるからこそ前に進む

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

仕事の方針や進め方、新たな手法などを取り入れようとすると一定数の反発を受けるものです。
く続けていることであればあるほど、反発が大きくなるものであり、この反発は自然な反応だとも思います。

反発されることや反対意見がでること、否定・批判されることを恐れ、方針を示すこと、新たな手法へ切り替えることに
踏み切れないと言う話を実際に経営者の方と話していると聞くことがあり、これも自然な考えなのかと思います。

しかし、一旦立ち止まって考えてみると余程のコンセンサスが社内で取れている、全体で共通認識を持っていることでない限りは、
対立意見や反発があって当たり前であり、何も反発がないのであれば、それはその程度の方針や手法なのかもしれません。

私は、対立意見がでること、否定や批判がでるようなアイデアが良いアイデアの条件と考えています。
現状を打破するような方針や手法は、反発を受けるものであり、この反発が無ければ物事は前に進まないと考えているからです。
誰もが当然に受け入れられるアイデアは素晴らしいアイデアとも捉えられますが、当たり障りが無く当たり前すぎて効果が低いアイデアかもしれません。

摩擦がなければ空転するだけで前には進まない恐れがあります。
新たに経営方針を策定すること、事業承継後に新経営者が新たな方針を打ち出すことなど、
評価制度を見直して重視するポイントを変えることなど新たな方針や進め方、手法を採用することは経営の節目節目で発生します。

誰しも、意見を否定されたり、反発を受けたりすることは心地よいものではありません。
しかし、摩擦は前へ進むためのエネルギーであり、抵抗力さえも推進力に変えることで、より良い会社を目指してみませんか。

一度、経営方針を策定・発表された方や年度方針やアクションプランを作成し、全社で実行された方からは、
「また、来年もやりたい」との感想をいただきます。

初めは上手く行かない、浸透しないこともあったそうですが、粘り強く取り組むことで、抵抗力が推進力に変わり、
会社が良くなったことを体感していただいたのかもしれません。

中小企業診断士 木戸貴也

2024.07.31

  • 経営方針
  • 人事評価制度

空中戦と地上戦 -戦を制するのは地上戦-

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

会社の成長には社員が必要であり、会社の成長には社員の成長が必要です。より社員が輝ける環境、より組織が活性化した状態になれば、成長のスピードは加速していきます。
企業の方向性を示し、社員の成長を促していくために、経営方針書や経営計画書の策定、人事制度や教育制度の導入は1つの解決策であり、実際に検討される方は多いのではないでしょうか。

この経営方針書や人事制度などへの投資(新規導入や制度見直し)を空中戦と位置付けています。これらは飛び道具のようで、極端な話、経営者の意思決定1つで取り入れることができます。
一方で、取り入れた人事制度や策定した経営方針書などの内容を組織に浸透させ、根付かせて、成長の原動力とするには、空中戦だけでは不十分です。多くの経営者は、経営方針の発表や人事制度の説明を行っただけで満足してしまい、空中戦で終わってしまいます。

しかし、戦を制するのは地上戦。空中戦だけでは勝てないのです。

では、地上戦とはどのような内容なのでしょうか。

それは、組織文化・組織風土を形成するプロセスで、『自発的な高い目標設定』、『自発的な学習と成長』、『挑戦する組織』、『学習する組織』、『再現性と価値観の刷新』、『環境への順応と耐久』などがキーワードとなります。
地上戦では、非常に高次での対人スキルが要求され、『仕事におけるコミュニケーション能力』、『仕事における人間関係』、『仕事をする上でのマナー』などが必要です。また、持続的・継続的に粘り強く、辛抱強く、繰り返し取り組まなければなりません。

経営方針やMVVなどを考えるのは、どの会社でも策定できますし、そこには優位性はありません。これを組織的に徹底してやり続けられることが、組織文化の形成、競合との優位性、そして業績アップへと繋がっていくのです。
経営者の思いや会社の方向性を真剣に考え、時間もかけて策定する経営方針書だからこそ、それを活きたものにする実行プロセスにもエネルギーを注いでいきましょう。

仏(ほとけ)あって魂(たましい)あらずには、ならないように気を付けていきたいものです。

中小企業診断士 木戸貴也

2024.07.26

  • ご案内

支援事例を更新しました

大阪府の金融機関様で、決算書の読み方に関するセミナーを実施いたしました。

今回はその事例に基づいて、セミナーの実施の様子とセミナーで大切にしていることを支援事例としてご紹介しております。

支援事例はこちらから

2024.07.24

  • MVV

ビジョンを構築するキッカケ

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

先日、ある信用金庫さんでセミナーをさせていただきました。

 

テーマは新入社員の方を対象にした「決算書の読み方」です。

 

当然、貸借対照表や損益計算書の読み方をお伝えする時間なのですが、私はそれらの財務諸表は経営者の思考やスタンス、ビジネスに対する真剣度、経営者が金融機関をどのようにみているかが分かる書類であると伝えています。

 

教科書的な読み方ももちろん行いますが、金融機関の職員として

「何に着眼し、何を気づいてほしいか」

「何を経営者に求めるべきか」

をしっかりと伝えました。

 

最後のまとめの際には

 

「○○信用金庫さんは、知名度も低いし、地銀や大手信金と金利競争しても負けます。だから、金利や融資額で勝負をしてはならない。そこに至るまでのプロセスで差別化し勝負すべきである。経営者のパートナーになれるためのノウハウを蓄積し、金利が高くても選んでいただける信用金庫を目指してほしい。そのためには、勉強しなければならない。我々が大阪で一番経営支援ができる信用金庫になることを目指してほしい。」

 

と締めくくらせていただきました。

 

その私からのエールがよほど嬉しかったのか、翌日にメールで「リファイナンスやリスケ、経営改善のノウハウに関するセミナーをしてほしい」と次の依頼を受けました。

 

セミナーを通じて、コアコンピタンス(他社が追随できないほどの圧倒的な強み)を構築したい、今まで描くことができなかった理想の信用金庫像(ビジョン)を具現化したいと思っていただけたようです。

 

どの会社も、どの経営者もそうですが、現状に満足するのではなく高みを目指さなければならないと分かっているのですが、日々の業務や忙しさで将来像を設計する時間は多くはないと思います。

 

ですから、誰かに背中を押してもらうことや、キッカケを与えてもらうなど、心に火を灯してくれる存在がとても重要なのです。

眠っている欲求やエネルギーを自分で開放するのは難しいので、外部からの刺激やサポーターがそのキッカケを与えてくれることがあります。

 

今回のセミナーではその面でも少しお役に立つことができたのかなと感じています。

 

実際のところ、それがセミナーや外部コンサルタントを活用する大きなメリットではないでしょうか。

 

明日もセミナー講師をさせていただきます。

 

単にテーマの内容を淡々と伝えるのではなく心に灯がともるような、内容にしたいと思います。

2024.07.08

  • 経営理念

継続力が組織の文化を形成する

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

組織文化とか社風と言う言葉を口にする、耳にすることは頻繁にあるものですが、実際には誰の目にも見えるものではなく、その場で感じるものです。
ですので、一概に良い社風、悪い社風とは言い切れず、その人にとって、その会社にとって、良い社風であるということです。

これまで、前職を合わせると数百社の企業様へ訪問させていただく中で、極端ではありますが、すごく丁寧な会社、挨拶も返してくれない会社などちょっと事務所に入っただけで雰囲気を感じ取れるものです。
組織文化を形成していく方法は様々なやり方がありますが、その中でも繰り返し、継続して実行し続けているかどうかが、文化形成に重要な要素です。

良い社風を作っていくためには、何が良いのかを明確にし、経営方針や年度計画に沿って、愚直に実行し続けなければなりません。途中、「間違っているのでは?」、「これ以上続けてもだめなのでは?」と疑問、不安に思うことがあったとしても辞めてはなりません、都合の良いようにやり方を変えても解釈を変えてもいけません。繰り返し、繰り返し、実行し続けることが重要です。

途中で辞めたり、決めたことを守り切らなかったり、都合の良いように解釈を変えることを続けていると「途中で辞める文化」、「決めたことを守らない文化」、「都合の良い解釈をする文化」が形成されます。
一度、出来た、出来てしまった文化を改善することは多大なエネルギーが必要であり、そのためにも初めに決めたことを愚直に継続して実行し続けることが組織文化を作るためには重要です。

抽象的な話にはなりましたが、組織文化の形成途中は多くの困難があり、絶対的に正しいやり方があるわけではないのですが、一度、良い社風が出来上がってしまうと同業他社がマネをしようとしても中々、追いつけるものではないく、強い組織的な優位性に直結します。

新しいことを取り入れているが上手く行かない、辛抱強く続けられていないなと思われることがあれば、外部専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
誰かの伴走があるからこそ、継続力が高まることもあるものです。

中小企業診断士 木戸貴也